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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 1.ネクロマンサー ④

いつの間にか彼女はわたしの近くまで来ていた。その赤紫色の目が、わたしの目を―むしろ、その奥にいる弱いわたしを、覗き込んでいる。
「ボクだって、アンタみたいに死を願った時がある。―でも、今は違う」
彼女の言葉を聞くうちに、彼女が人間じゃないような気がして、思わずこう聞いた。
「あなたは―人間じゃないの?」
フッと彼女は笑った。
「ボクは人間だよ。ただ、持っている”力(モノ)”が違う」
「もの…」
「そうさ、モノだよ。力だよ。だから、アンタとは同じで違う」
その目の赤紫が、濃くなったような気がした。
「ねぇ、じゃあ、その”力”って…」
そう言いかけたわたしを、彼女は面倒くさそうに遮る。
「聞くな。それ以上聞かないほうがいい…帰る」
そう言って、ネクロマンサーはわたしの横を通り過ぎ、わたしの後ろにある螺旋階段を下りて行った。
不思議なことにその手には、あの巨大な鎌はなかった。
「帰るって…」
わたしは彼女が去っていった螺旋階段を、ただ茫然と見ることしかできなかった。

〈1.ネクロマンサー おわり〉

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