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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ②

本屋の向かいにあるゲームセンターの奥に、知っている人影が見える。
「まさか」と思った。まさかそんなはずはないと。
でも無駄に気になった。だからわたしは”その人”に気づかれないよう、そっと近付いた。
”その人”まで数メートルのところまで近付いて、わたしは確信した。
”あの人”に違いないと。
怖いけれど、わたしは思い切って話しかけてみた。
「あの、もしかして…”ネクロマンサー”?」
”その人”は驚いたように振り返る。”その人”はわたしを見た途端、目を大きく見開いた。
対するわたしは、「あれ」と心の中で首を傾げた。
確かにそこにいるのは、あの時の”ネクロマンサー”だ。―だがその目は、あの鮮やかな赤紫色ではなかった。
「なんで…」
彼女はようやく口を開いた。その声は明らかに動揺していた。
ただの人違い―?わたしはそんな気がしてすぐ謝ろうとした。その時―、
「…ネロ⁇」
ネロ、と呼ばれて、少女は声の主の方を見た。
そこには、小柄な彼女とはやや不釣り合いな男子3人組がいた。

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