何故忘れてはならぬのか。
その理由を知るか。
幻すなよ。
君は過去を通り過ぎてきたのではなく、
すべての過去をその背に負うのだ。
その重さ故に忘れ得ず、未だ来ない日を過ぎ去った記憶とする為に背負うのだ。
花枯れ。今無く。過去無く。今において過去を知る。
幻す:まぼろス(動詞)
造語です。対象を幻として見ること。幻にすること。
”理由”を幻すのか、過去を幻すのか。
花は枯れ、消えた美しさを幻すのか。
”あれ”を幻すのか。
過去は現在という筆で未来を描きます。未来を幻としないために。
割れた大岩に苔生すまで。