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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ④

「てかネロ、お前そーとーヤバイことしたな」
「は⁈ しょうがないじゃん都市伝説のせーだ」
「お前がしょっちゅう暇こいて高い建物の上で力使ってんのがいけねーだろ?」
「普段は見られても記憶消してますーっ」
「でも今回は消してねーじゃん」
言いあう2人を長身の彼が諫める。
「おいおい2人とも、今そーとー言っちゃいけねーこと常人の前で言ってんぞコラ」
その事実に気付いた2人は沈黙する。
わたしは、今目の前で何が起きているのかさっぱりだったし、意味の分からない言葉がホイホイ飛び交っていて、混乱状態だった。
とにかく聞きたいことが多くて、この沈黙を期に1つ聞いてみた。
「…ねぇ、”力”とか、”記憶消す”とか、一体どういうこと?」
”ネロ”と赤いウィンドブレーカーの彼は、気まずそうに顔を見合わせる。
あとの2人も黙りこくっている。
もしかして、聞いちゃいけないこと聞いたかな…とわたしは彼らに申し訳なく思えてきた。
不意に、赤いウィンドブレーカーの彼が、気まずそうにゲームセンターの外を指さし切り出した。
「…ちょっと、あっちで話そうや」
  

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