飛行船のくらりくらりと漂う空を
ただ頬杖ついては眺めていた
窓ガラス越しの絵空事
額縁に収められた水彩画のように
ただ虚無さえも感じずに眺めていた
これから僕らは何処へゆくんだろうね
行き先も決めずに飛び出してしまった
ありもしないパラレルワールドへゆこうか
もう何処にもゆけないよ
一枚ずつ花弁がはらりはらり
落ちていった雪の上を
見ないふりばかりして歩いていた
嗚呼いつのまになにもかも無くなってしまったんだろう
いつのまになにもかも消えてしまったんだろう
さあもうすぐ夜が明けるから
旅立とうありもしない世界へ