2

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ⑤

気まずい雰囲気の中、わたしとよく分からない4人組は、ゲームセンターから少し離れたところにある休憩スペースへ向かった。
赤いウィンドブレーカーの彼は、周りに人がいないことを確かめてから、ベンチに座ったわたしに向き直った。
「…とりあえず本題の前に名前だな…名前なに?」
彼はちょっと不愛想に尋ねる。
「…言わなきゃいけない?」
「当たり前だ。俺たちの知り合いとつながってたら、たまったもんじゃねぇ」
長身の彼がそう吐き捨てた。…一体どういうことなのか。わたしは恐る恐る自分の名前を言った。
「…不見崎 清花(みずさき さやか)」
「学校は?」
赤いウィンドブレーカーの彼がさらに尋ねる。
「林原中学」
「林原、か…一応ここにいる全員とは違う学校だな」
長身の彼がぽつりと呟く。
「紹介されたらこっちもしないとな…おれは耀平、生駒耀平」
”耀平”と名乗った赤いウィンドブレーカーの彼は、そう言ってわたしに笑いかけた。
「…で、俺は日暮師郎、そしてこっちが黎」
”師郎”という長身の彼は、隣にいるフードの少年を親指で指し示した。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。