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以下、会話のみで成立した短編小説

「やあ少年」
「む、何者だ貴様。我が居城に不法侵入とはなかなかの度胸だな。私は古臭き男尊女卑思想支持者だから、女には容赦しないぞ」
「なに、その辺は大した問題じゃない。…よく私が女だと分かったね」
「確かに貴様は髪も短くその若干痛いマント…いや、この場合はローブと言うべきか?それのせいで体型もよく分からぬ。しかもその低い声。常人ならば男と見紛うかも知れん。しかし私の女嫌いは相当のものでな、女は直感で分かるのだよ」
「ほう。そりゃすごい特技だな。まあどうせその性格のせいで女子が寄って来ない故の僻みも混ざっているのだろうが」
「して、何の用だ。私は今、憎き魔王を葬り世界を救うのに忙しいのだ。こればっかりは微塵も気が抜けない。下らぬ用事なら不法侵入の現行犯で通報するぞ」
「無駄だ。この家の電話線は既に切ってあるし、通信阻害電波を周囲に流した。外に連絡はつかないよ。勿論後で直す」
「何だって⁉もし私がやっていたのがオンラインゲームだったら、貴様を一生許さないところだったぞ!」
「まあまあ落ち着き給えよ少年。そんなこともまた、些細な問題なのだから」
「で、本当にお前何の用だ?そもそもお前は何者なんだ?突然私の部屋に現れおってからに」
「私は…そうさな…君にも分かるように言うと、うん。そうだ。私は未来人だよ」
「ほう、それなら納得がいく」
「信じるんだ…」
「で、何年後から来た?五年か、百年か、それとも二千年か?」
「大体七十億年後から」
「嘘をつけ。七十億年後には地球は肥大化した太陽に飲み込まれているとか何とか何処かで読んだことがあるぞ」
「ばれたか。実は今からおよそ二百五十年後から来たんだ。どうだすごいだろう!」
「ふむ。その頃には私はもう死んでいるな」
「無視かい?」
「で、お前が何者かは分かった。では用件は何なんだ?とっとと済ませて帰ってくれ。落ち着いて魔王討伐できない」
「無視なんだね…。ああそう。君には宿題をちゃんとやるように忠告しに来たんだ。ちゃんとやるんだぞ?」
「何だ。そんなことのために来たのか」
「うん」
「悪いがそれだけは私のプライドが許さん」
「君阿呆なの?」
「案ずるな。テストでは点数とれてる」
「うわー嫌な奴」
「用事が済んだなら帰れ帰れ」
「分かったよ。それじゃさよなら」

  • 書くの疲れた
  • オチはどこかへ落っことしたみたいです
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