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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ⑭

「…質問はこれで終わり?」
耀平が思い出したように尋ねる。
「あー…うん、大体済んだ」
そうわたしが答えると、耀平の表情がふっと、ちょっとだけ冷たくなった。
「…絶対に異能力のことは人に言うなよ。お前は例外中の例外だ―言ったらただじゃおかねぇ」
「―そうだよ、他の人に言おうものなら、ボクがアンタの記憶を奪うからね…どこに逃げても」
ネロはにやりと笑った。まぁ、こういうのは秘密ってものなのだろうけど…
「…こういうのって、ホントに秘密にする必要ある?」
このつぶやきに答えたのは黎だった。
「…この世界という、”社会”の秩序を守るため、平穏を守るため…だ。異能力者はいつの時代も、社会の陰で生きてきた―どこだろうと」
相変わらず黎の目は冷たい。でも、他のみんなの目の中にも冷たさはあった。
急に空気が重くなって、この場に居づらくなった。
それは彼らも同じらしく。
「…ちょっと飲み物買ってくる」
そう言ってネロが、座っていたベンチから立ち上がった。

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