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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ⑮

「おーいってらー」
「あ じゃあおれも行くー」
じゃあわたしも…と言いながら、膝の上に乗せたリュックに、手をかけた時だった。
「…あれ?」
リュックにいつもつけているはずの、ストラップがない。
「どしたー?」
わたしの声を聞いたのか、耀平が振り返った。
「あ いや、リュックにつけてるストラップがないなーって。ボールチェーンだから取れやすいし…」
まぁ気にしないで、とわたしは笑いかけた。自分で探せるし、と。
だが耀平からは、思わぬ反応が返ってきた。
「…探すの手伝おっか?」
思わず「へ?」と応えてしまった。
「ここ広いしさー…1人で探すのは無理があると思うんだけどなぁ」
そう言いながら、彼はわたしに歩み寄った。
その目はわたしをガッチリ捉えていた。
「え、いや…別に平気だよ。第一どんなのか分かんないだろうし…」
そんなわたしの遠慮を気にせず、彼はにやりと笑った。
「まぁ見てろって」
その目が黄金色に発光した。

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