「ねぇ、優樹菜」
「どうしたの?」
優樹菜は私の数少ない友達。家がガラス細工のお店をやっている。
「今日ね綺麗な硝子見つけてね。それを優樹菜の家でなにかいい感じの形に出来ないかな…って」
「うん!いいよいいよ!ちょっと見せてよ!」
「どうぞ」
「ほんとだ!めっちゃ綺麗!校庭に落ちてたの?」
「うん、なんでだろうね?」
「ねー不思議ーまぁとりあえずうちの家おいでよ!」
「うん、行こ行こ」
「ねぇ、もしかしてまた好きな子のこと考えてるでしょ!」
「うん、まぁね…」
私が悩み事をしてると優樹菜はすぐ勘づいてしまう。その能力欲しいぐらい。
「まぁ…もう卒業だもんねー彼には何か言うの?」
「言いたい気持ちはあるけど…なんか急に今さら言うって向こうも困るだろうな…って。」
「そんなことないよ!やっぱり告白されたら嬉しいもん!しかも彼には彼女いないことはリサーチ済みだから」
「もう…お節介なんだからー」
「友達として当然でしょ!あ!そうだ!その硝子プレゼントすれば?」
「え?」
「綺麗な形にしてーそれを渡してーそして告白しちゃったらもうイチコロよ!」
「いやいや、そんな簡単にはいかないってー…でもプレゼントにするのはありかも」
「我ながらいいアイデアだと思うよ!」
「はいはい、そうですねー」
「じゃあなんの形がいいかな…もうそこは思い切ってハートにするとか?2人の名前も彫っちゃう?」
「いやいやいやそれは重すぎるって。ハートはやめとくよ…」
「そっかーじゃあ何がいいの?」
「うーん……しずく型は?私雨好きだし」
「それめっちゃいい!超ナイスアイデアじゃん!じゃあそうしよ!」
綺麗に磨かれしずく型になった硝子はさっきの何倍も美しいものになっていた。優樹菜のお父さんのご好意で売る時の箱にまで入れて頂いてリボンまでして…なんか本気のプレゼントみたいになっちゃったけど引かれないかな…