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太陽と月、

もう一度見せてほしい背中は、
いつの間にか少しだけ後ろにあるはずなのに
さっき、一つ先の曲がり角に

ふ、 と歩み去ったような気がして。


ぼくは小さく欠けた月になりたかったのに、

太陽は知らない間に沈んでしまって、もう

いつまでも沈んでいくような気がして

小さくそっと、
首を振った。



(年齢だけ追いついたって追い越したって、)
(いつまでも触れる気がしない大きな背中の、)
(敬愛する全ての先輩たちに。)

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  • かっこいいですね。
    この一言に尽きてしまいます。自分の表現技法の中のかっこいい所を全部抜き出しても、こんなにも格好良くポエムを描けるでしょうか…。(いや、描けません。)

    私もシャアさんには追いつけないな、と思いつつ、いつも素敵なポエムを読ませていただいています!
    小さくかけた月。確かに、綺麗な気がします。

    私も小さい白色矮星になれるでしょうか。

  • さっき、一つ先の曲がり角に

    ふ、 と歩み去ったような気がして。


    この二文にとても共感できました。
    どんなに歳を重ねてもぎりぎりのところで
    なんとか追い付きながら
    ずっと息を切らしている気がします。

  • まめさん≫
    そんなそんな。おだてないでください(汗
    下手くそポエムだっていつも素敵で、真似できないやって溜め息吐いているのに。

    でもそれが真理だし、それでいいでしょうね。追いつけないし、真似できない。追いつかなくていいし、真似しなくていい。
    まめさんはこれから、拡がって無限の輝きになる"新星"だと思ってます。


    苑上さん≫
    ね。足音だけ微かに、耳を澄ませば聞こえてくるような。歩き始めると自分の足音に紛れてしまうような。
    えがみさんのこの前のを読んで、角を曲がって逃げていく影のイメージが見えたので。
    二十代も、大学生も社会人も、ずっと遠かったのにいつの間にか、ね。
    ひとり、迷子で焦って半泣きで走り回ってるような気がしてます。

  • シャアさんの詩はいいなー!って、ときどき触れないと 優しいこころを忘れてしまいそうです^ ^

    わたしは昼間に見える白い月になりたいです^ ^

  • しゃちちゃん≫
    そんなそんな、照れるなー(笑)
    形としては永遠に失ってしまった、偉大な先人たちのことばをポケットの中で握りしめるように、忘れないようにことばを並べています。


    今さっき、家に帰ったら東に、家々の屋根からどろりと赤い月が浮かんだ処でした。
    昼間、青空にぽっかりと白く浮かんだ月は、一個の天体として確かな威厳を感じさせますね。
    やっぱり月は格好良い!