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青くて蒼いある日の話 #1

誰もいないはずのプールサイド。今年初めて水を張った今日、僕はふらっとプールに向かった。
ぴちゃん、ぱちゃん、ぱしゃん。プールから音が聞こえた。不思議に思いながらプールサイドに出る。まず目に飛び込んできたのは、青い硝子玉のように美しい空を反射する新しい水。そして、1人の少女。
「西城さん…。なに、やってるの?」
なに聞いてんだ…。1人でため息を吐く。見たらわかる。水に足をつけてゆっくり動かしてる。西城さんと話すことはほとんどなかった。感じた違和感は、夏の空に似合わない白い肌だった。長い黒髪を揺らして振り返る、
「何って…。死のうと思って」
冗談とも本気ともとれない表情で言い放った。
「死ぬ…?」
「冗談だよ。こんなとこで死のうと思って死ねないでしょ?本気にしちゃって、君、面白いね」
「西城さんって…変な人?」
「ふははっ。そうかもね。梢でいいよ。西城さんって固い。この際仲良くなろうよ」
「梢…は本当は死にたいと思う?」
「誰だって思うんじゃないかな。君も思うでしょ?意味もなく死にたくなるとき」
「うん」
「一回、死んでみようか」
「え」

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