結月視点
「涼香、家ーー特殊部隊本部に連れて行くのはいいけど、一つだけ頼みごとがあるんだ。」
「何?」
「時雨ちゃんには会わないで欲しいんだ。」
そう、言い放つと、涼香の表情は一気に暗くなった。
「…なんで?」
「時雨ちゃん、さ。涼香が死んでから、しばらくして、急におかしくなってさ。…多分、思い詰めてるんだと思う。…涼香を…守れなかった事、後悔してたんだと思う。」
そこまで言うと、涼香は悲しそうな顔をした。
涼香視点
結月は、何か隠し事をしてる。それは、結月は隠し事をしてる時、頭をかく癖があるから。
「ねえ、隠し事しないでよ。」
結月は、驚いたようだった。
「なんで、分かったんだよ?」
結月は、うっすら笑いながら、あたしに、聞いた。
「長年の勘。」と、ドヤ顔をしながら答えたら、
結月は、
「なにそれ」って笑った。よかった。笑った。
私に、できるのは、これくらいだから。特攻班の四人みたいに、誰かのことを護れるほど、あたしは強くない。だから、あたしにできるだけのことは、したい。
【続く】