ねぇ、貴女。そうやって私の前で舞い遊ぶのはやめていただけませんか。私には髪を乱すことしか出来ないのですから。 けれど、もしも叶うのならば、そのまま私の手を引いて、空の彼方へ連れて行ってはもらえませんか? 私も貴女のように淡いスカートを翻して、月の隣で踊りたいのです。 えぇ、分かっていますよ。所詮は人間の戯言です。貴女のように空高く舞い上がることは出来ませんから、せめてこの想いだけでも連れていってやってください。