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LOST MEMORIES 421

「瑛瑠、おはよ。」
ぽんと肩をたたいてきたのは歌名。
「難しい顔しっちゃて……可愛い顔が台無しだよ。」
鈴を転がしたようなころころとした明るい声に、瑛瑠も笑顔を向ける。
「歌名、おはよう。美少女と狐と夢に浮かされていました。」
そんな瑛瑠の言葉に、歌名が笑顔のまま固まる。
瑛瑠自身脳内がカオスなのだから、表現に多少の支障が出るのは仕方がない。
第一回会議(仮)の後、チャールズとジュリアに謀られ『Dandelion』で英人と会い、帰り際に黒髪の美少女と邂逅。さらに、狐についての情報量の多さに混乱した。そういえば、図書室では名前を聞きそびれた先輩と出会ったんだっけ。
夢を見た日は、約束についてチャールズに翻弄されたななんて。
どこから話そうかと考えを巡らせ、あっと思う。
「歌名、聞いてください。」
瑛瑠が真面目な顔をするものだから、歌名だって身構える。
「私、望さんとデートします。」

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