0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ②

でも、そうすると明日、日曜日は暇になってしまう。
だから何をして暇をつぶそうか―と考えながら、わたしは駅前を歩いていた。
というのも、今日は塾があって、ついさっき終わったばかりなのだ。
夕方の駅前は、土曜日とはいえ人が多い。
ふと、道行く人々の中に、クラスメイト達を見つけた。2人仲良く連れ立って歩いている。
自分もああなれたらな…でもなれそうにないかも。そう思うと、彼女らを見ているのが嫌になって、バス停近くで歌う路上アーティストの方へ目を向けた。
さて、明日何をしようか…ラジオでも久しぶりに聴く? でもラジオは壊れて使えないし…
そう悶々と考えながら、帽子を目深に被って歌う女の人を眺めていた―その時だった。
ふっ、と人々の視線が、一瞬だけど、その人に集まったような気がした。
でもわたしがそれ以上に驚いたのは―その人が目深に被った帽子の下から、ちらりと見えた目が、ほんの一瞬光っていたのだ。
え、と思った。まさか、と。
「異能力者」わたしはとっさにそう思った。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。