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LOST MEMORIES 427

「どうしたの、瑛瑠さん。」
 今度こそ困ったように望が微笑うものだから、瑛瑠はおかしくなる。
「私、どんな人だと思われていたんですか。」
 望は少し考えるようにして、ぽつりと呟く。
「僕のことを好きにはならなそうな子。」
 再び氷が鳴る。
 瑛瑠は思わず苦笑いをこぼす。
「聞いたのは私ですが、返しに困ってしまいますね。」
「わかっててそう言ったからね。」
穏やかな空気に戻る。
「望さんのことは好きですよ。……でも、そういうことではないのでしょう?」
「お察しの通り、そういうことじゃないよ。」
くすっと笑った望。
「瑛瑠さんの魅力はたくさんあるけれど、ぼくを好きにならなそうなところもその一つだね。」
 瑛瑠は、その気持ちがなんとなくわかるような気がした。

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