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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑥

「あ~いや、アタシは寿々谷の人じゃないよ。もっと田舎の方。大学行く時よく電車で通るから、学校帰りによくここでライブしてるだけ」
「へぇ~」
「まぁ、寿々谷は異能力者多いからね…普通はもっと少ないよ。アタシも高校生になって町の外の学校行くようになるまで、同級生に異能力者いなかったから」
「そうなんですか?」
そう聞き返すと彼女は、バスロータリーの方へ目を向けた。
「まぁね、アタシが住んでるところは、もともと人が少ないってのもあるけど。でも寿々谷は多いよ~ それで昔から、異能力者たちの間では有名でね… ま、こういうところはどこの国にも最低1つはあるらしいけど」
そうなんだ…とわたしは心の中で呟いた。
ずっと、この街はありふれた地方の街だと思っていたのに、実はかなり普通じゃないことが、不思議で仕方なかった。
「そういえばセレンさん、何でここで能力使ったんです? 人が多くて目立つのに…」
1番わたしが気になっていたことを尋ねると、セレンさんは苦笑した。

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