高校生になり、私は軽音楽部に入りました。ずっと憧れだった部活に入ることが出来て、とても嬉しいです。
しかし、私にはある悩みがあります。それは、バンドのメンバーのことです。
顧問から「俺は基本的には口出さないから、とりあえず組んでみて」と言われ、同級生と集まりました。
その中で、ボーカルを志望する人が多かったのです。私も、その中の1人でした。
お互いに話し合っても、誰も譲る気配はなし。
そのため、一旦バンドを先に組むことになりました。
私は、同じクラスの5人で組みました。
そしてパートを決めようとなったとき、ボーカル志望がもう1人いたのです。
その子は男子で、Mrs.GREEN APPLEの大森先生に憧れている子でした。ギターボーカルをやりたいと言っていました。
逆にドラムが足りない状況になり、どっちが引くかと牽制のし合いに。
実は、私にも譲れない理由がありました。
私は将来、アーティストになりたいんです。
ずっと歌うことが好きで、軽音楽部のバンドのボーカルというものを通じて、その夢に少しでも近づきたかったんです。
高校に入学する前から、これはずっと決めていたことでした。
だから、どうしても譲ることを考えることが出来なかった。
その想いは、バンドのメンバー全員に伝えました。
最終的には、彼がドラムをやると言ってくれたので、私がボーカルを務めることになりました。そして同時に、そのバンドのフロントマンにもなりました。
これが昨日のことです。
家に帰ってから、一度冷静になってみました。
あそこまで無理を言ってしまって、本当に良かったのだろうか。彼は「ドラムもやってみたいと思っていた」と言ってくれたけど、それは本心だったのだろうか。何が何でも譲る姿勢を見せない私を見て、他のメンバーはどう思ったのだろうか。
何より、こんな頑固で自分の夢のことしか考えられない私が、フロントマンなんかやっていいのだろうか。
今思えば、ドラムになったから歌うアーティストにはなれないなんてことなかった。
でも、楽器を弾くことが怖かった。
それは、自分が想い描くアーティスト像じゃなかったから。私がなりたいのは、そうじゃなかったから。
昨日のあの瞬間、自分の夢だけに囚われて、譲ることを考えられなかった私は、間違ってましたか?
今もその答えは出ていません