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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑪

「ま~そりゃね~、バレちゃいけないのにバレちゃったら関わりづらくなるよね~ アタシであっても、そうするかも」
そう言いながらセレンさんは苦笑いした。…やっぱり、そうなんだろうな…
「わたしも、異能力者だったら話は違ったのかな…」
「そういうifを考えたって無駄だよ。これが現実。―キミはこれまでも、これからも、普通の人間であることに変わりないよ。…それに、他者を理解するのは難しいから…時間をかければ上手くいくかもしれないけどね」
「そうですかね…」
時間ををかけたとしても、”彼ら”と仲良くするのはかなり無理がある―あの通り、突き放されてしまったし…
そう思いながら、おもむろに顔をあげたその時だった。
「あ」
双方からほぼ同時に、同じ言葉が飛び出した。
「なんで…」
その次に口を開いたのはわたしではなくあちら側。
「なんでここにいるんだよ!」
「わ、わたしもそれ言いたいよ!」
黒いパーカーのフードを被った少女―ネロがわたしを指差し叫んだ。

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