「こらこらケンカしなーい。じゃないとアタシが能力使って周りの目集めるよ?」
「わ、それはちょっとやめてください」
「う…」
セレンさんのちょっと怖い発言に、わたしはまた後ずさり、ネロはちょっとうなだれた。
「…まぁ、話した相手が異能力者だっただけ良かった方だろ、な?」
耀平はそう言ってネロの肩を叩いたが、その直後に一瞬わたしに向けられた視線は痛かった。
そしてわたしは彼らに向き直り、さっきの質問をもう1度した。
「…すごい気になるんだけど、何でお互い初対面なのに、異能力者であることが分かるの?」
「それは…」
セレンさんがぽつりと口を開く。
「本能的に分かるの」
「へ?」
あまりにもシンプルな回答に、わたしの頭は真っ白になる。
「異能力者はね、気配で周りの異能力者が分かるんだ。説明するのは難しいけど…なんとなく、勘みたいなもので分かるの。あの人は異能力者だって」