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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑮

「…っていうか、何で異能力者とまた一緒にいるの?」
ふと思い出したように、ずい、とネロはわたしに詰め寄った。
「い、いや、たまたま能力使ってるところ見て、それでもしやって話しかけたんだけど…」
「え、ダメじゃん」
ネロはぽかんとした顔でセレンさんを見た。
「いや~、バレないようにしたつもりなんだけどね~、この通り見抜かれちゃったんだよ~。ま、他の普通の人に言いそうにないから大丈夫だと思うけど」
セレンさんはちょっと申し訳なさそうに頭を掻きながら、相変わらずニコニコ笑っていた。
「一体どこにそんな信頼要素があんのか分かんねーけど、こっちはこっちで脅しをかけてあるから大丈夫だと思いますよ?」
そう言って耀平はセレンさんに向かってにやっと笑った。
「お、どんな脅しー?」
「もしもバラしたら、こいつとボクの能力で探し出して、見つけたら問答無用でボクが記憶奪取!」
ネロはすいっと耀平の手を取り自慢げに言った。
「ほー、なかなかやるじゃん。それなら清花も絶対他人には言えないね」
「見つけたらさっさか奪うから、異能力関連の記憶以外のモノも奪っちゃうかもね~」
「え、ちょっとそれは怖い」
わたしは、ネロの発言だけでなく、傍から見ればかなり恐ろしい彼らの会話内容に後ずさった。

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