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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑯

「…そういえば、さっき何でここにいるのって聞いてきたけど、逆にあなた達は何でここにいるの? わたしは暇を持て余してというかそんな感じなんだけど」
わたしはさっきのネロの言葉を思い出して、彼らに尋ねた。
「それ言いたくな」
「ショッピングモールからの帰りだよ。毎週日曜ぐらいにあそこに集まってんだ」
「ちょ師郎それ言っちゃう⁈」
「いやはぐらかそうにも無理があるだろ」
言いたくないことを師郎に言われてしまったネロは、頬を膨らませて抗議したが、すぐにがっくりと下を向いた。
「週1、なんだ…」
確かに前にこの4人にあった時は日曜日だったし、場所はあのショッピングモールだった。
「…そりゃ、みんな普段は部活や塾で忙しいし、学校は違うし、ついでに今受験生が約2名いるからほぼ必然的に日曜に会うことになるだろ」
ぼそっと黎は呟いた。
「ま、テスト前とかは無理だけどなーっ。あーでも、ネロは例外。コイツはいつも暇こいてる」
「?」
わたしは耀平の言葉にちょっと首を傾げた。例外って…
「暇って言うか…やることないんだよ。第一ボク不登校だし」
「えソレ、サラっと言えること⁇」
自分だったら言うのをためらいそうになる言葉を平然と言い放ったネロに、わたしは唖然とした。

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