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時間が許すのなら、ぜひ、読んでください。長くてごめんね。

 僕は、望遠鏡を通して、彼女に恋をした。

 僕は火星人、彼女は木星人だ。いつものように望遠鏡で、宇宙を眺めていた。そして、彼女を見つけた。
 僕と彼女は出逢った。そして、瞬く間に恋に落ちたのだ。
 何度かデートを重ねた。驚くことはたくさんあった。理解できないこともたくさんあった。受け入れがたいこともたくさんあった。でもそれは、仕方のないことだ。だって、僕は火星人で、彼女は木星人なのだから。僕と彼女は生き方も、持つ文化も違うのだから。
 僕は彼女にプロポーズした。そして、僕たちは結婚した。
 僕たちは地球へ移住し、子どもも生まれた。すると、少しずつ歯車が軋み始めた。
 子供は地球人だ。僕たちも地球人として生きる。
 今まで違うことを理由に受け入れてこられたことが、同じだからという理由で受け入れることができなくなってきた。
 違うとわかっていたときは、あんなに理解しようとしていたのに。
 「どうして同じ地球人なのにこうしてくれないの?」
 「どうして同じ地球人なのにこうできないの?」
 「どうして違う考え方をするの?」

 僕は、火星人でいたほうが幸せだったのだろうか。彼女が、木星人でいたほうが幸せだったのだろうか。

  • ちょっぴり成長したピーターパンより愛をこめて
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