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LOST MEMORIES 430

『ぼくは、今自分が幸せなら、それでいいんだよ。』
 ベッドの上で、瑛瑠は望の言葉を反芻する。暖かいようでいて、空っぽなその言葉。何が、彼をそうさせているのだろうか。
 あの後話したことはあまりにも特別感がなく、曖昧模糊としか覚えていない。
 遠慮がちなノック音が聞こえる。
「お嬢さま?まだ起きていますでしょうか。」
 図々しいチャールズが。珍しいこともあるものだ。
 そんなことがよぎるも、入っていいよと応える。
 すると、図々しくてすみませんねと輝かんばかりの笑顔があるものだから、背筋が凍る。
「どうしたの?」
 引きつる表情筋を奮い立たせ、問う。
「ちょっとお話を。」
 瑛瑠は、目を丸くした。

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  • ちょっぴり成長したピーターパンより愛を込めて
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