通り魔の振り下ろした物体をオータロー、何とか躱すも、通り魔、遠心力を利用して素早く回転斬りを仕掛けてくる。その連撃を全てやり過ごしつつ、オータローは会話を試みた。
「何、その、長いの!刃渡り、が、完、全に、片手剣、なんだが!?」
「ッ、ノコギリ!」
「はぁ⁉そんなん、あんのか!」
「さあ、諦めて、嫌な記憶、飛ばそ⁉」
通り魔、いつの間にか左手に出刃包丁を持ち、二刀流で攻撃してきている。
「記憶、首ごと、飛びそう、なんで、遠慮、しとく!」
「往生際、悪いなぁ!ボクに、任せて、おけば、問題、無いから!」
「大体、嫌な記憶、と言うなら、お前に、遭遇、したのが、最悪の、思い出だよ!」
「何ぃ?こっちは、慈善、事業で、やってる、ってのに、その、言い草は、何だ!」
「クッソ…能力の、範囲に、回避が、あって、良かったよ、ホント!ああ、クソ!しつこい!」
「そっちこそ、観念して、斬られな!」
そうこうしているうちに3分ほどが経過し、通り魔の方に疲労が見えてきた頃合い。何処からか何か四角い物体が飛んできて通り魔に当たり、
『通り魔はその中に吸い込まれた』。
「ハァ…一体…何だったんだ……?いや、何となく見当は付いてるんだが……」
「その通り。僕の能力だ」
声の方を見ると、チャチャを先頭として第二コミュニティの面々が立っていた。