チャールズは、わずかに肩をすくめるに留まった。
「気を抜いていました、以後気を付けます。」
というのも、チャールズがどんな子どもか、なんて言うものだから。しかも、普段そんな気の抜いたようなことを言わないから。
「私、女の子に会ったとしか言っていないのに、なぜどんな子どもだったか,なんて聞くの。」
瑛瑠くらいの年であれば、子どもなんて表現を、少なからずチャールズは使わない。
「しかも、普段のチャールズならそんな緩んだこと言わないのに。」
嫌がらせだと思った。たぶん、ジュリア経由で聞いたのだろう。それなのに瑛瑠は何も言わないから。
瑛瑠の嫌がるようなポイントをうまく押さえているのだから、相当性格が悪い。知っていた。
「……チャールズのばか。」
楽しそうなチャールズの顔が横目に見えるから、なんだかどうでもよくなってしまって、お小言を受けることにした。