「黒髪の女の子でね、あの時は二つのお団子結びにしていたと思う。
歳は5歳くらいかな、きれいな目だった。」
思い出す。とても可憐な美少女だったあの女の子のことを。
「そういえば、自分のこと“アカネ”って言っていたと思う。」
アカネ,そうチャールズが反復する。
「ジュリアさんとの情報とちゃんと一致している?」
聞くと、ほんの少し困ったように微笑む。
「はい。」
英人は忘れずに報告したのだと思うと、何となく悔しいような気持ちになる。
あ、あと、
「あと、何か、落とし物をしていた。」
鋭くて、こういう形の,そう言って瑛瑠は、簡単に描き上げてみる。
チャールズは少し驚いたように目を見開く。
「……これは、」
かんざし、というようだ。