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☆☆☆年 7月9日(土)晴れ 日直 星のふる夜

「めぐちゃん!」
神社の階段に、めぐちゃんはいた。わたしをみて、ぱっと立ち上がる。「みゆき!」そして
わたしの顔をのぞきこんで、
「泣いてるよ、どうしたの、大丈夫?」めぐちゃんは優しいめぐちゃんのままだった。「めぐちゃんごめんね」わたしひどいこと言ったのに。「いいよ」「でも」
「ほんとは妨害しようとしてたのかもしれない」「え」めぐちゃんの着てるTシャツのZUSHIOがはたはたと揺れる。
「だからおあいこね、みゆき、 ーーー」
花火の音が響いた。そのせいで何も聞こえない。「聞こえなかったよ」言うと、頬のあたりをかきながら
「聞こえなかったなら、いい」だって。
それなら。
ヒューーの音に耳をすまして、今だ。
「めぐちゃん、ーーー
明るい彩りがめぐちゃんの顔をくるくると照らす。太鼓の音も混ざって、わたしの声が闇に溶けていく。
聞こえた?」めぐちゃんは首をふる。「おあいこってことでしょ」「うん」
ヨーヨーがほしいと言ったら、その後りんご飴がたべたいと言う。かき氷も綿あめもたべよう、ここ数日お話できなかった分、他にも他にも。
「でも、みゆきがなんて言ったかわかるよ」前髪の間から、めぐちゃんのきらきらした瞳がのぞいた。「わたしも、」
手を握る。
「めぐちゃんがなんて言ったかわかるよ」
もう離れないように、はぐれないように。
夏の夜、打ち上がる花と花がいつまでも、ふたりの影を照らして。

  • ☆☆☆年
  • 今回で最終回ですが、ふたりの物語は
  • 皆様の想像の中でまだまだ続いていけるので★ミ
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