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 この世界では、雨の降り方にいくつか種類があるらしい。こういう降り方には、しとしと,なんて表現がなされる。
 雨は嫌いじゃない。雲一つない快晴よりかは、ずっと好きだ。それも、このような雨ならなおさら。
 ただ、一つ問題があった。傘を、忘れたのだ。それも、学校から帰る途中で降ってくるものだから困ってしまった。
 公園に入り、葉の茂る大きな木の下で雨宿りをすることにした。これくらいの弱い雨だから許容できることである。
 土の香りがする。雨が降りそうなとき、降り始めたときによく感じられるこの香りを、化学物質,なんて無機質な言葉でこの日は表現したくなかった。
 もうしばらく止みそうにない雫を見つめていた。こういう時間は、無意味だと思わない。
__雨が当たった。さすがに、葉にも雫が溜まってきたようだ。
 そろそろかな。
「お嬢さま、風邪をひいてしまいますよ。」
 傘を差した付き人は、思った通りもう一本傘を持っていた。
 瑛瑠は、嬉しそうに微笑む。
「大丈夫だよ、チャールズが来てくれたから。」

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  • ぱぷりちゃんがチャールズのこと、ちゃんと信頼しているのが最後の台詞からひしひし伝わってきて感動です……!

    同じ傘に入っちゃえばいいのにって思っちゃったけど(よくばりな読者です( ̄▽ ̄))そんなことしないで、もう一本傘を持ってくるのがチャールズなのだな、と^ ^素敵な雨の日ですね^ ^

  • しゃちさん》
    指摘してもらいたかったことをそのまま指摘していただけて、本当に嬉しいです…!笑

    雨を通して、傘をもう一本携えたチャールズとえるちゃんの信頼関係を、一本しか傘を持たないえいとくんとありがたく入るかなちゃんのまた違った信頼関係を描けたらなと思いました(*^^*)
    そうなのです、一本の傘を分けるようなチャールズではないのですよね…笑