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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ㉑

「仲良くするのはいいが、あんまり執着するのはアウトな。こっちが嫌になったら問答無用で離れるぞ?」
フッと耀平の顔から笑みが消えた。その目はあの時の”コマイヌ”の目とはまた違った恐ろしさをたたえていた。
「よかったじゃ~ん、何とか仲良くなれてさ~」
「まぁ…でもちょっと上っ面感出ちゃってますよ?」
セレンさんはわたしの肩を笑顔でポンッと叩いたが、わたし自身はこれでいいのかとちょっと困惑していた。
「もしも手を離す時のことを考えて、そこまで情を持つつもりはないからね」
ネロが冷ややかに言った。
「ホントのコト言うとボクはさ、アンタと一緒にいるのがかなり嫌なんだよ…」
そう呟きながら、ネロはわたしから目をそらした。
「そりゃな~、お前のせいで異能力のことコイツにバレたもんな~」
「そ、それ言うな! 言われたくない…」
耀平に嫌味を言われて、ネロは恥ずかしそうにうつむいた。
「え~でもいいんじゃない? これはこれでさ、面白いことになりそうだし…んじゃ! アタシはこの辺で!!」
そうセレンさんはニコッと笑うと、駅の入り口に向かって歩き出した。

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