視界が霞むのは夜の静寂を満たす霧のせい、それとも瞳を濡らす雫のせい。やけに幻想的な通学路に街路樹から光のシャワーが注がれる。きれい、とスマートフォンのカメラを向ければ、それはがらりと顔色を変え忽ち恐怖を感じさせる。ふと我に返り、通学路を見れば、そこはもう一本道だった。