「付き人さん、物知りだね……。」
「ですよね。どこから仕入れてくるんだか。」
瑛瑠がどこかで見た、少女が必死になっていた鋭いもの。それが、かんざしという名前の髪飾りであったことを伝える。それも、平かんざしという種類のもの。
「持ってたかなー……遠目だったし、そのかんざしに関しては完全に私の頭からすっぽり抜けていたから、確かなこと言えないや。ごめんね。」
申し訳なさそうにする歌名は正直の権化である。
「それも含めて今週末だな。偶然にでも、その少女に会うことができればいいが……。」
「とりあえず、霧がその神社を見てみなきゃだね。何か感じ取ってくれれば、関係の有無はわかる。」
望の言葉に、英人は若干顔を歪めた。