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No music No life #8 アディショナルメモリー

時雨視点



「ねえ、あんたら誰?」
私が言い放った言葉は宙に浮いてる三人に届いているのだろうか。空いた窓の外に宙に人間ではない三人がいる。
「誰って聞かれると困るよね〜」
額にお札を貼ったキョンシーと思われる奴が喋った。
「まあ、異界の住人ってところでしょうね。」
そう吸血鬼が言うと、ゾンビが
「訳あって、君の仲間たちをこっちの世界に引きずりこまなきゃいけないんだ。」
と言った。
冗談ではないらしい。
「という訳で大人しく引きずりこまれてください。」
「無理に決まってる。」
「だよね〜」
刀を抜いて斬りかかろうとすると、
「やめとけ、時雨ちゃん。」
聞き慣れた声に止められた。
「チッ」
ゾンビと思われる奴の舌打ちが聞こえた。
「何で戦おうとしてるって分かったの?」
「長年の付き合いですからね(笑)」
そう結月は笑った。
「それにしても本気だね、時雨ちゃん。」
「そりゃ、みんなのためだからね。」
「時雨ちゃんが、君が、一人が、誰かが、抱える必要ないよ。」
「でも、私のせいで、みんなに迷惑かけてるじゃん!」
「私達は迷惑かけられる前提で貴方の隣にいるんですよ。」
「いくらでも、迷惑掛けてください。」
後から二人が言ってくれた。

「「「いくらでも付き合ってやるよ
そのわがままに。」」」

私は最高の仲間、いや、家族を持ったらしい。


【続く】

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