来たる週末。その神社は歌名しか把握していないため、ひとまず校門前を集合とすることにした。
「それじゃあ、話した通りです。これからその神社に行ってくるね。」
一応チャールズにこれまでの経緯を伝えておく。報告ミスや帰宅時間が遅いなどの理由でお説教を食らうのはごめんである。
チャールズはいつも通りに見える顔で送り出してくれた。
「あまり遅くならないでくださいね。」
いつもの過保護かと思うも、なんだかそうして消化していいものでもないような気がして、思わずうなずく。
「暗くなる前には帰ってくるね。」
「はい、そうしてください。」
小さく微笑んだチャールズを見てから扉を閉める。
一度、立ち止まってみた。いつもと何ら変わりない休日の風景が広がっている。
「……大丈夫。みんながいる。」
特に理由はない。それでも言い聞かせるような言葉が出てきてしまったことに、行く当てのない不安だけがかすめた。