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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑨

「ねぇ、笛吹さん」
今日の授業が全て終わって帰りの学活も済み、クラスの人々が掃除し始めてから、わたしは、6時間目の授業が始まる前に「あとでね」と話を区切った笛吹さんに話しかけに行った。
「あー待って待って…、多分不見崎(みずさき)さんが今話したいことって、ここじゃできそうにないからとりあえずあっちで話そう」
笛吹さんは自分の鞄を背負いながら廊下を指差した。
「あ、うん」
「てか、今日この後暇? 部活とか…ないよね?」
笛吹さんはふと思い出したようにわたしに尋ねる。
「そうだけど」
まぁ部活は暫くの間行ってないから、別にいいのだけど、とわたしは心の中で付け足した。
「じゃ廊下で待ってて、あたしは茉花とかに先帰ってていいよって言いに行くからー」
彼女はそう言って、仲の良い友達たちがいる方へと行ってしまった。
わたしは、彼女の言った通りにとりあえず廊下に出ることにした。

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