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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑩

廊下には様々な人々がいつもと変わらず行き来している。
…きっとこの中にも、わたしが出会ってしまった”彼ら”のような人間がいるのだろうな、と廊下を行く人々を見ながら思った。
だって笛吹さんも…いや、まだ彼女も”彼ら”と同じような人間だと決まったわけじゃないし、そもそもあれは…
そう自分の中で考えを巡らせているうちに、笛吹さんが廊下に出てきていることに気付いた。
「あ、ごめんね、待たせちゃって…じゃ、あっち行こっか」
「え、あっちって…」
ちょっと戸惑うわたしに、彼女はにこりと笑った。
「東階段。あまり人がいない場所だから、ね?」
確かに、わたし達2人が考えていることが一致しているのであれば、これからわたしが話す内容的にも、人があまりいないところの方が良いかもしれない。
「…わかった」
わたしがそう答えると、笛吹さんはちょっとうなずいて、人の少ない東階段の方へ歩き出した。
それから暫くして、わたし達は東階段に到着した。
そして、そこからさらに階段を下りて行ったところにある階段の踊り場に辿り着いたところで、笛吹さんはわたしに向き直った。

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