2

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑪

「ここなら多分誰にもバレないね…で、不見崎(みずさき)さん、何が聞きたい?」
彼女は笑顔で首を傾げた。
「あー、えーと」
急に話を振られたせいで、わたしは一瞬混乱した。
「…笛吹さんてさ、」
わたしが恐る恐る話し始めると、彼女はちょっとうなずいてこちらの目を覗き込んだ。
少しの間を置いて、わたしは質問の続きをした。
「…もしかして、”異能力者”?」
「もちろん!」
笛吹さんはにっこりと笑って答える。
「ていうか、ソレ言われるの分かってたんだ、あの時点で。そもそもあの時の能力発動は半分くらい意図的なものよ?」
半分予想通り、半分予想外の返答に、声が出なかった。
「まぁ、”力”を使わなくてもあの場はどうにかできたかもしれない。でも、時間なかったし…それに、不見崎さんなら分かってくれると思ってたから」
「え、どういう…?」
わたしは思わず呟く。分かってくれる、って…?

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • ギリ24時前に書きあがった!
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。