赤い鳥居。まっすぐに続いた道。道に沿うように続いた木々は青々としていて、続く道を薄暗くしていた。
「はい、ここです。」
ここまで先導してくれた歌名が、立ち止まる。いかにもな神社である。
「英人さん、何か感じますか?」
瑛瑠の問いに、難しい顔をした英人は、首を横に振った。
「何も。」
ここではないようだ。
「場所が問題ではないのかもしれませんね……中へ進んでみましょう。」
怖いもの知らずがここで発揮される瑛瑠。肝が据わっているというか、なんというか。
「ほんと、瑛瑠って変に怖いもの知らずだよね。」
苦笑する歌名に、男子二人も同調する。
なんだか不服であった瑛瑠は、
「怖いんですか?」
なんてとんちんかんなことを言うのだった。