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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑬

確かに、「異能力者は普通少ない」って、セレンさんも言ってたっけ。
笛吹さんはさらに続ける。
「まぁ…この街は普通よりちょっと異能力者が多いんだけどね。その分、情報とかはが伝わるスピードが速いし…あと、いわゆる”情報屋”みたいなのもいるから」
「”情報屋”…?」
わたしは思わず彼女の言葉を繰り返す。
「そういう感じのだね、その人は。寿々谷で起こった異能力にまつわる情報を、勝手に集めて他の異能力者に教えたりするんだ。もちろん、教えてもらうには、それ相応の”代価”が必要だけど」
彼女は階段を1段、トンっと下りた。
「”異能力”のことを知ってしまった常人がいるって言うのは皆がチラチラ言ってたから知ってたけど、名前はその人から教えてもらったんだ~。…そしたらビックリ、まさかそれは後ろの席の人だったとはね」
そう言って笛吹さんはわたしに笑いかける。
わたしは終始笑顔でいる彼女の話を聞きながら、ふと疑問が浮かんだ。
―なぜ”情報屋”は、わたしの名前を知っているのだろう。
「”異能力”を知ってしまった常人がいる」ことは、”彼ら”が周りに喋って噂になってもおかしくない。…でも、本名まで言うだろうか? 
第一、わたしの名前を知っている異能力者は、あの4人と駅前で路上ライブをしているあの人ぐらいしかいない。
”情報屋”はわたしが今までに出会った異能力者たちなのか、それとも―

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  • あ、このあとお知らせがあります!
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