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UFOの落ちた夏(4)

 今思えば、随分と馬鹿な質問をしたものだ。他になかったのか自分。
 すると、男の子は憎たらしい顔で嘲笑った。
「姉ちゃん、馬鹿だろ。もっとマシな質問ないワケ?」
 ……生意気。いや、自分でも馬鹿な質問だとは思ったけどね?こんな小さい男の子に馬鹿にされた屈辱。一体、どうしてくれようか。
「君は、どこからどうやって来た、どこの何君なのかなー?」
 頬がぴくぴくと張っているのがわかる。こんな子供にムキになるなんて大人げない。そう言い聞かせて、我慢して優しく聞くよう努める。だが、
「見ればわかんじゃん。これに乗ってきた。やっぱ馬鹿だな、姉ちゃん」
 無理だった。こいつ、可愛げがない上に生意気だ。優しいお姉さんはやめよう。
「質問に答え切れてないじゃない。まず、名前は?」
 男の子は、一瞬押し黙る。今までの言葉遣いからは感じ取れないくらい真剣な眼に、私は息を呑んだ。
「宙(そら)。宇宙の宙で“そら”」
 私は、驚いた。

続く

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