「こちらは創業何年になるんですか」
「今年でちょうど、三百年になります」
「ご主人は何代目ですか」
「初代です」
「えっ」
「ん?」
「ごめん、もっかい言ってみて?」
「口調崩れてますが」
「おっと失礼。今『初代』と聞こえたのですが」
「ああ、分かりやすく言うと、『七代目』となりますかね」
「え、あー、んーと、…ひぃふぅみぃ……あ!画数か!?」
「はい」
「しかし何故にそんな変わった言い方を?」
「うちの一代目は乙(きのと)という男です。彼は自分の名前が一画で書けるのを面白がり、二代目には『人』の字を与えました。彼は、その二代目は、それを面白く思って、自分を二代目ではなく『人代(じんだい)』と名乗りました。そして三代目には『山』、四代目には『王』、五代目には『正』、六代目には『年』とその先代の願いの込められた文字が与えられ、そして現在七代目の私が『「七」という特別な数字の代に何か全く新しいことをやってみろ』という願いより『初』の字を賜りました。故に『初代』なのです」
ご参加ありがとうございます。
リアルな方向でいくとしたら、こたえた側の頭がおかしい、単にふざけている、ぐらいだろうなとたかをくくっていましたが、意外でした。
あ、好き......