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老舗店師弟行方不明事件簿其十二

「こちらは創業何年になるんですか」
「今年でちょうど、三百年になります」
「ご主人は何代目ですか」
「初代です」
「……本当に?」
そう聞いた途端、主人の顔が さっと青くなる。思っていたとおりだ。
「あなたは2代目、になるはずだったひと」
「おい、どこまで知っている」
「しかし、初代が2代目に選んだのは長年を共に過ごしたあなたではなく、数年前に遠くの惑星から来た弟子の方」
「……」
腰を抜かす主人の瞳を仁王立ちでのぞきこむ。
「初代と2代目はどこですか」
ぱくぱくと口を動かして、主人は厨房を指さした。後ろに控えていた部下たちの足音が一気にそこへなだれ込む。

「こまったものだな、、」
さすがに同じ類の事件で12件目となるとため息がでた。
陳列されたこの店名物のカマボコをひとつ、ちょうだいする。
「うまいな」
誰がつくったものかなんて、わからない。

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