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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑯

「でも、不見崎(みずさき)さんもすごいと思うよ?」
「へ?」
意外な言葉に、思わず変な声が出てしまった。
「だって普通の人なのに”異能力”のこと知ってるんだよ? すごいと思わない? …だからわたしね、興味あるんだよね~」
ん?とわたしは思った。何か似たような発言どこかで…
「”異能力”を知ってしまった常人が、”異能力”を使っているところを見て、一体何思い、何をするのか」
いつの間にか笛吹さんは、わたしの目の前まで来ていた。
「…だからあの時、わたしは能力使っちゃったんだけどね」
彼女はいつもと同じようにニッコリ笑う。でもその笑顔に恐怖を感じるのは、気のせいだろうか。
「じゃぁ助けてくれた理由って…」
「まぁ…不見崎さんの前で異能力使ったらどんな反応するかな、っていう興味? ゴメンね、何かこんな理由で近付いて」
笛吹さんは申し訳なさそうにうつむいた。

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