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お兄ちゃん、わたしのプリン食べたでしょう。

子どものころ
台風が来ると
わくわくしたよね
大人になったいまでも
わくわくするけど
彼女はそう言ってアイスティーを飲んだ
子どもは被害が予想できないからな
と俺は大人のふりをして言ったが
本当はいまでもわくわくしているのだ

意識とは言語の産物である

台風は
上手いことそれて
空は晴れた
台風のおかげで
バイト終わりの彼女と小一時間話せた

カメラアイ的でない高次の記憶力を持たなければたくさんの記憶を長期にわたって保存維持することはできない

都会に出て
努力すれば未来はひらけると
頑張っていたら

言葉を覚えたての子どものように脊髄反射的に反応しているだけ

そんなに眉間にしわを寄せてたら幸せ逃げちゃうよ
と言って
ラテをサービスしてくれた彼女

脳のつくりが単純なので論理的な法則に基づいていることがらと慣習的なことがらを要領よく分類できない

そんなことを回想しているうちに
軽やかな足どりで地下道に消えた
見送らせることもなく

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