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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑳

「じゃあ、じゃあ、わたしのこと”亜理那”って呼んでいいよ! ずっと名字で呼ばれてたけど、こっちの方がいいし…わたしは不見崎(みずさき)さんのこと”サヤカ”って呼ぶからさ!」
「はぁ…」
普通友達ってこんな風にできるっけ…と思った。でも…いいのか、これで。
「あ、そうだ! 全然言ってなかったけど、わたしの異能力者としての名前は、”フェアリー”。能力発動時はこっちだから忘れないでよ?」
彼女はそう言って自身の目を桜色に光らせた。
これは、自分のもう一つの名前を忘れないように、わざと能力発動したのだろうか。
まぁ…いっか。当の本人はあまり考えずに能力使ったんだろうし。
笛吹さん―いや亜理那は、よーしじゃ帰ろー!と元気に言いながら階段を下りて行った。
わたしはそんな彼女に置いて行かれないように階段を下りだした―が、すぐにその足は止まった。
というのも、亜理那が階段を上って来た見知らぬ女子生徒と出会い頭に話し始めたからで。

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