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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ㉑

「あら、だぁれその子、お友達?」
見知らぬ背の高い女子生徒は、どこかわざとらしく尋ねる。
「うん、友達、ついさっき友達になったんだけどね」
亜理那がそう答えると、誰かは知らない女子生徒は、チラとわたしの方を見やった。
「…面白そうな子ね」
彼女はそうとだけ言って笑うと、亜理那にじゃあねとだけ言って、階段を階段を駆け上がっていった。
亜理那は、うんじゃあね、と彼女を目で追いながら手を振った。
「…今のは…」
わたしは思わず呟いた。
「あ、あの人? まぁ知り合い的な? そういう感じ~」
亜理那は笑顔で答える。
「もしかして異能力者?」
わたしは間髪入れずにさらに聞いた。というのも、何となくそんな気がしたからで。
「あ~、そこらへんは言えないな~」
だが、彼女はそう言って笑うだけだった。
そして、ほらサヤカ、帰ろう、と言って階段をまた下りだした。
…どうして亜理那は、彼女が異能力者かどうかハッキリ言わないのだろう。そして今のは一体…誰? 
わたしはさっきの女子生徒の事を気にしながら、亜理那に続いて階段を下りて行った。

〈4.フェアリー おわり〉

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