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世にも不思議な人々㉖ 開ける人

どーも読者の皆さん。俺っすよ。ラモスこと滝沢真琴ですよ。
いやね、先日ちと困った目に遭ったんだがよ、ちょっと面白い奴に助けてもらって、そいつのことをお話しようかと思って。
あれは確か、先週だったかな?覚えてねぇ。親が帰り遅くなるんでその日鍵持ってけって言われてたんだが、どうしたことか家の鍵忘れちまって。ヤッベどうしよー困ったなー、なんて思ってたら同級生に声をかけられた。
「オッス真琴ー。何か困ってたりすんのかい?」
「お前は確か……小鬼田平子!」
「違う。鬼怒川達彦だ。かすってもねえぞ。雑草みたいな呼び方すんな。ってか同級生の名前くらい覚えとけや」
「いやすまん。同級生の名前なんか半分ほどしか覚えてないんでな」
「ええ………。で、お前さっきから何困ってたのさ?」
「いや…家の鍵持って出るの忘れちまって」
「ああ、それなら俺が何とかしちゃる。確か俺、お前んちに行ったことあったよな?」
「おお。少し前に来たな」
「そんな奴の名前を覚えてないって……」

んで、俺の家にそいつがついて来たんだが、そいつは俺の家の鍵穴の辺りをちょっといじって、
「ほれ、開いた」
って。おかしいよな?ピッキングとか隠れて作ってた合鍵とかそんなチャチなものじゃあ断じて無い。もっと恐ろしいものの片鱗を以下略。
「おいオメー……。今何をした……?」
「ん?ああ、これは……あ、いや、何でも無い。気にしないで」
「ん?お、おお。……ってなるかァ!今のどう考えたっておかしいだろうが!ああ!テメェ、まさか……!」
「な、何だよ……。と、とりあえず俺帰る。じゃあな!」
帰ろうとするコオニ……じゃなかった、鬼怒川の野郎に、俺はカバンに忍ばせていた五寸釘を数本投げつけた。釘は奴の靴だけを綺麗に貫通しアスファルトに縫いつけた。
「おいお前よォ……。逃げようったってそうは問屋が卸さないぜ……?」
「おいおい、嘘だろ……?まさかお前も……あ」
「え」
「え?」
「お、おお」

「俺の能力は『一度開閉の確認をしたことがある鍵を開ける』能力。能力名は『アイアイ』だ。頭の中にあの曲がちょくちょく流れてくんだよ。しかしすげえな。俺の指の隙間抜けて靴だけ通すんだもんな」
「おお。すげえだろ」

  • 童謡系能力者がまた何かやってます
  • コオニタビラコ!
  • は?オチ?無いに決まってんじゃん。
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