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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑤

「…そういや不見崎(みずさき)」
「ん、何?」
何を思いついたのか、美蔵がわたしに話しかけてきた。
「さっき駄菓子屋行く途中で友達とはぐれたとか言ってたじゃん」
「うん」
「…もしかしてさ」
美蔵はニヤリと笑った。
「その友達に避けられてるんじゃね~?」
「…ちょっ…!」
何だか自分の中を見透かされたような気がして、わたしは思わず立ち止まった。
「…べ、別にそうと限ったワケじゃないし」
まぁ、その可能性も十分にあるかもしれないけど…
「は? てかそうと限ったワケじゃねぇって事は、そうかもしれないって事じゃん」
そう言いながら、彼は皮肉交じりに笑った。
「ぅぐ…」
「やっぱり不見崎は変わってねーなー。友達に避けられちまうトコとか。小学校の時からそうだろ?」
確かにそうかもしれない、でも…

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