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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑦

「…でもよ、いつも誰かと一緒にいなきゃいけないってワケじゃねぇからな。1人の方が楽な時もあるし」
…そうだね、とわたしはうなずいた。…でもやっぱり1人は怖いと思うのだけど。
「まぁでも人間はずっと集団の中で生きてるからな~ その分1人になるのは怖いだろうし。でも結局基本的には人間は集団の中にいるんだよな」
そう美蔵は平然と呟いたが、わたしにはその意味がさっぱり分からなくて聞き返した。
「…今のちょっと意味分かんないんだけど」
「…いや、単純に人は孤独になるのが嫌だけど、大体何かの大きな集団の中でそういうことが起こるじゃん。例えば学校とかさ。…そういう事が言いたかっただけ」
美蔵はちょっと面倒くさそうに淡々と答えた。
「そう…なの」
美蔵が言おうとしている事が理解できたような、できなかったような気がして、わたしはちょっとポカンとしてしまった。
…何でこんな事言うんだか。
一方の美蔵は、まぁそうなんだよ、1回で理解しろや…と不満げに言った。

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